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写真家の眼

ランドスケープ 柴田敏雄展@東京都写真美術館

初期はモノクロームの銀塩、近年はフルカラーのデジタル写真で記録された、風景の中の
幾何学的な造形美。ダムや、切り立った斜面沿いの道路、ガソリンスタンドなどが
対象だが、それらがその対象そのものとして目にとびこんでくるのではなく、
緻密な計算のもとに美しく造形されたひとつの平面図として見えてくる。

たぶん、あんな風景は自分の身近にあたりまえのように存在しているのだろう。
でも我々は、普段その事に全く気づいていないのだ。
しかし写真家は、ある風景を眼にした時、そこに既に完成作品の完璧なイメージを
二重写しに見ているのである。
そう思わせる隙のない造形が、風景の中から立ち現れている。
中でも水量によって異なる表情を見せるダムを撮った写真に眼を奪われた。
特に、垂直に見下ろした放水の瞬間を切り取った連作は圧巻。
近年の作品には併せて色彩の力も加わり、なんとも非現実感漂う空間を創りだしている。
予備知識ゼロで見たが、とにかく圧倒された展示だった。
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