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  • blog “夢の巷”
    日々の感想文。

    エレファントカシマシのファンになって1○年。しかし最近はチケットがとれにくくなってきたためめっきりライヴには行かなくなってしまいました。
    近年は歌舞伎マニアと化すが、新歌舞伎座も開場し歌舞伎熱もやや沈静化。

    好きな役者さんは播磨屋=中村吉右衛門、中村歌六、中村種之助、中村米吉。萬屋=中村時蔵、中村梅枝、中村萬太郎。音羽屋さん、大和屋さん(三津五郎さんの方)も好き。上方の松嶋屋、山城屋さんもいけます。

    一番深く関わっているのは美術。ジャンルにこだわらず展覧会に足を運んでいます。
    (プロフィル写真は夜の旧歌舞伎座。)

    メールは hanaotoko [@] zoho.com まで
    (文字の間のブランクとカッコをはずして下さい)
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五月大歌舞伎@新橋演舞場(夜の部)

同日、夜の部の感想です。
実はこちらが自分にとっての大本命だったのだが…。

「東海道四谷怪談」通し上演ということで、吉右衛門丈初役の民谷伊右衛門も
楽しみだったし、お岩さんがどんな風に演じられるのかにも随分前から期待していた。
それが終盤、あんな形で崩れようとは。

吉右衛門丈は色悪という感じではなく、終始大きな悪人に見えたが、別にそれが
おかしいとは思わなかった。次々と手際よく人を陥れ、殺めていく悪人振りが
いっそおもしろいと思った。
序幕、舅の左門が伊右衛門の悪事を口にした後花道を引っ込むが、左門を見送る
伊右衛門の目に悪人の本性が顕われる瞬間があり、見ていて思わずぞくぞくした。

随分前、納涼歌舞伎で勘三郎の「東海道四谷怪談」通しを見たことがある。
お客さんが最初から盛り上がる気まんまんで、怪談も何もない明るい空気に、
ビジターならではの違和感を感じたことがあるが、今回は少なくとも終盤近くまでは
福助丈がけなげで哀れなお岩さんを熱演し、こちらもお岩さんに対して感情移入が
できていた。

が、二幕目第三場、浪宅の場で何かが狂いはじめる。
偽りの不義を仕掛けた宅悦(歌六丈)から事の次第を知らされたお岩さんは、
次第に伊右衛門への怒りを募らせる。
これが沸々とわき上がってくる怒りを抑え抑え、という演技ならまだ判るのだが、
福助丈のお岩さんはここで激怒!絶叫!大暴れ!するのである。
??お岩さんてこんな激情キャラだっけ??
?マークがが脳内をグルグル…宅悦も脇で心なしか引いているような…。
わたしゃこのままお岩さんがフライングしながら伊藤宅に殴り込みにいくんじゃ
ないかと思いましたよ。
(実は、DVの夫に逆襲する激情妻、という現代的な読み替えだったりして。)

気を取り直して身だしなみを整えるお岩さん。
お歯黒をつけようと歯を磨くのだが、盥の前でワンテンポおいて「お、おえぇぇぇ~」。
それってドリフだから!志村けんだから!
このあたりから客席に笑いのさざ波が立ちはじめる。

毒薬のせいで手が震え、うまくお歯黒がぬれない。口から鉄漿がはみ出す。
ここでもオーバーリアクションで宅悦を驚かすお岩さん。
…い、いかん。せっかくの哀れさが。折角の悲しみが。
有名な髪梳きの場面。櫛に髪の毛が絡み、ばさばさと抜け落ちるというシーンだが、
お岩さんは櫛が引っかかる度に「イタッ!イタタッ!」と連呼。客席笑い。
こうなるともうドツボも同然、努力が空回りの悪循環。

極めつけは大詰の蛇山庵室の場。
回向の念仏を唱える人々の前に赤子を抱いたお岩さんの亡霊が現れる。
伊右衛門が我が子と思って抱いた赤子が一瞬にして石地蔵に変わるのだが、
それを横目で見ながら立ち去ろうとするお岩さんがいきなり
「イーッ!イーッ!」。
思わず椅子からずり落ちそうになる。客席、失笑。
(一緒に見ていた友人曰く「あれってショッカーすか?」)
歌舞伎に詳しい知人によると、これは「幽霊の不気味な笑い」を見せる有名な
シーンらしいが、何をどう聞いてもあれはショッカーの叫びだった。

吉右衛門丈は柄にない極悪人を演じ通しているのに…。
脇の人たちはみんないいのに…。
なのになぜ最後の最後でお笑いに?

誰が悪いという話ではなくて、ただ運悪く、福助丈が演技の間合いをことごとく
はずしてしまっただけなのかもしれない。
でも、一月も二月も前からこの日を楽しみにしていた身としては、何とも口惜しい。
今回の為に奮発して一等席も取ったのに、お客に笑われるお岩さんなんて見たくない。
宅悦とお岩さんの哀しくも恐ろしい掛け合いや、伊右衛門をちゃんと(笑)
恐ろしがらせるお岩さんが見たいだけなんだよ~。
期待とは裏腹の、なんだかアメリカン・ホラーなお岩さんだったのでした。
(なんだかんだ言いながらもう一度見に行くんですけどね。)
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Comment

おっ!

もう一度観に行く覚悟をお決めなされましたか。
是非是非、感想を楽しみにしております。
1F席で観ると、また違った楽しみがあるやもしれませぬ。

ようこそいらっしゃいませ。先日はありがとうございました。
そうなんです~>もう一度観に行く覚悟
自分の観たものを再確認する意味もあるし、何より舞台の
どこが変わっているかをチェックしたいというのが一番かな。
これで舞台全体がぐっと締まっていたら思わぬ奇貨ですがさて、どうでしょうか?
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